【株価分析】TradingViewで相関係数から割安株を探そう

投資

今回はTradingViewというチャート分析サイトを使用して、相関係数を導出する方法を解説します。

有名な投資家YouTuberである高橋ダンさんもチャートを解説する際はTradingViewを使用しています。

相関係数はデータの解析を行う際に重宝される指標です。
相関係数を理解することで株価が割高、割安か判断しやすくなります。

相関係数とは

2種類のデータについて相関の強さを表す指標です

相関係数は-1から1の数値で表されます。-1に近ければ近いほど強い負の相関(逆相関)を表し、1に近ければ近いほど強い正の相関を表します。
負の相関とは片方のデータの数値が上がるほど、もう片方のデータの数値が下がる傾向のことです。
正の相関は片方のデータの数値が上がるほど、もう片方のデータの数値が上がる傾向を表します。

一般的に相関係数の数値は以下のように受け取られます。

相関係数相関の強さ
0.7≦r≦1.0強い正の相関
0.4≦r≦0.7正の相関
0.2≦r≦0.4弱い正の相関
-0.2≦r≦0.2ほとんど相関がない
-0.4≦r≦-0.2弱い負の相関
-0.7≦r≦-0.4負の相関
-1.0≦r≦-0.7強い負の相関

投資における相関係数を活用するメリット

投資で相関係数を活用するメリットは以下の二つがあります。

・購入しようと思っている株が割安かどうか相対的に判断できる
・逆相関の銘柄をポートフォリオに入れ込むことで、ポートフォリオのリスク分散をすることができる

相関係数を使用して銘柄が割安か判断

下の図はコカコーラとペプシの株価チャートを比較したものになります。
上のグラフがコカコーラ(水色)とペプシ(オレンジ色)の株価を並べたもので、下のグラフが相関係数になります。

相関係数を見るとコカコーラとペプシは強い正の相関があることがわかります

コカコーラとペプシの株価は基本的に連動しているということです。

しかし、2019年の3月頃に相関係数が負に振れているタイミングがあります。
相関係数が負に振れているということはどちらかの株価が下がり、どちらかの株価は上がったことを表します。

このタイミングについて詳しく見てみましょう。

上の図は2019年3月頃にフォーカスしたグラフになります。

グラフを見ると、コカコーラが下がったのに対してペプシは上昇したため、相関係数が負に振れたということが分かります。コカコーラがペプシに対して相対的に割安になったということになります。

特に大きなニュースが無いのにも関わらず、強い正の相関のある銘柄の相関係数が負に振れたタイミングは銘柄の購入・売却を行うターニングポイントと言えます。

個別銘柄の投資を行う際は、購入しようとしている銘柄の同業他社との相関係数を見てから購入することで割高株の購入を防ぐことができるようになります。

相関係数を使用してリスク分散したポートフォリオを組む

ポートフォリオ内の銘柄を正の相関を持つ銘柄ばかりにしていると、下落局面になった場合全ての銘柄が下落してしまい、大打撃を受けてしまいます

ポートフォリオの構成の中に負の相関を持つ銘柄を組み込むことで、下落局面にも強いポートフォリオを構成することができます。

例えば、下落局面に強い銘柄としてはインバース型のETF(上場投資信託)やVIX(恐怖指数)連動のETF等があります。

インバース型のETFは対象指数に対して逆相関となることを目指すETFです。日経平均株価と逆の動きをする「NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」などが代表例です。

VIX(恐怖指数)とはVolatility Index(ボラティリティ・インデックス)の略語です。

VIXは米国株に対して、投資家が株価の先行きにどれほど振れ幅を見込んでいるかを表す指数です。
ボラティリティとは価格の変動の大きさのことです。

今後の株価に対してボラティリティが大きくなると見る投資家が増えるとVIXは大きくなり、株価が安定すると見る投資家が増えるとVIXは小さくなります。
つまりVIXが大きいほど不安定な相場と見ている投資家が多く、株価の急激な下落や上昇が起こる可能性が高くなります。

米国の有名な指数であるS&P 500(US500)とVIXのチャートと相関係数が下の図です。

水色の線がUS500,オレンジ色の線がVIX指数です。相関係数を見るとUS500とVIXは強く負の相関を持っていることが分かります。

VIX連動型のETFをポートフォリオに入れ込むことによって下落局面に強いポートフォリオを構成することが可能です。(その分上昇局面での利益は減ってしまいます。)

このように銘柄や指数の相関係数を見ることで、リスク分散を考慮したポートフォリオを構成しやすくなります。

TradingViewとは

これまで使用してきたTradingViewについて紹介します。

TradingViewはブラウザで使用できる高機能なチャート分析サイトです。
これまで使用したような個別銘柄の解析や指標との比較、ビットコイン等の仮想通貨のチャートやFXの情報などをリアルタイムで確認することができます。

有名な方だと投資家YouTuberの高橋ダンさんがチャートを解説する際に使用しています。

TradingViewには無料プランと有料プランがあります。これまでの説明で使用した銘柄同士の相関係数の分析等も無料で行うことができます。

有料プランの場合、広告が無くなる、チャートの保存できる数や設定できるアラートの数が増えるといったメリットがあります。

投資初心者の方であれば、無料プランで十分事足りるかと思います。出来ることが非常に多いため、無料プランでも機能を全て使い切るのは難しいかもしれません。

TradingViewのメリット

無料で気軽に使用可能

TradingViewはソフトのインストール等必要なく、ブラウザ上で無料で誰でも使用可能です。

高機能なチャート分析ソフトは証券会社等でも提供していますが、その証券会社で口座開設が必要であったり、ソフトのインストールや設定が予め必要になります。

TradingViewはブラウザ上でGoogleアカウント等と連携するだけですぐ使えるため、面倒な本人確認等は一切必要ありません。

出来ることが非常に多い

逆にTradingViewにできないことって何があるのかというぐらい、出来ることが多いです。

・相関係数等の関数を使用したテクニカル解析
・100以上の項目でフィルタリング可能なスクリーニング機能
・50種類以上の描画ツールを備えた描画チャート
・他の投資家が公開したチャート画面の閲覧が出来るSNS機能

上記の機能は全て無料で使用することができます

TradingViewで相関係数を見る方法

TradingViewで相関係数を見る方法を順番に解説します。

左上の赤枠で囲った箇所をクリックして、見たい銘柄や指標を入力します。

今回はコカコーラとペプシの比較を行うので、まずコカコーラを選択します。

コカコーラのチャートが反映されたら次は、ペプシのチャートを追加するために赤枠で囲った箇所をクリックします。

ペプシをクリックしてペプシのチャートを追加します。

ペプシのチャートを追加できたら、赤枠で囲った箇所をクリックして相関係数の追加を行います。

相関係数もしくはCCで検索すると相関係数が出てきます。

相関係数をクリックするとシンボルの追加と出てくるので、ペプシを追加します。

そうすると上のようにコカコーラとペプシの相関係数を見ることができます。

基本的に同業の銘柄同士は相関が強いことが多く、一時的な逆相関となっている場合は銘柄の購入、売却を行う一つのターニングポイントと言えます。

いろんな銘柄や指標の相関係数を見ることで、意外な銘柄同士で相関があることを発見できるので是非皆さんもやってみてください。

まとめ

TradingViewを使用して相関係数を見る方法を解説しました。様々な銘柄や指標を比較することで、銘柄が相対的に割安かどうかの判断材料とすることができます。

TradingViewは無料で使用することができるので、是非皆さんも一度TradingViewで遊んでみてください。

今回の記事が皆さんの生活の一助となれば嬉しいです。それでは!

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