【投資用語を解説】自社株買い(バイバック)とは?メリットや代表的な銘柄を紹介

投資

今回は株式投資をしていれば必ず耳にする自社株買い(バイバック)とは何かを解説します。企業が自社株買いをするメリットやデメリット、株価はどうなるのか解説します。

自社株買い(バイバック)とは

自社株買いとは企業が企業自身の株を買い上げることです。バイバックと呼ばれることもあります。

自社株買いのメリット

自社株買いの株主側のメリット

企業が発行した株をわざわざ買い戻す意味はあるのでしょうか。

自社株買いを行うと発行済みの株式数が減少し市場に出回る株が減少します。つまり、1株当たりの企業の利益(EPS)が上昇します。市場はそれを好感して株価が上昇します。

また自社株買いは税制上も有利です。通常、株の配当は税金がかかりますが、自社株買いによる株価上昇は株式を売るまで利益に対して税金が掛からず税制上有利になります。

自社株買いの企業側のメリット

自社株買いが株主側だけがおいしいのであれば、わざわざ企業が自社株買いをする必要がありませんよね。自社株買いは企業にもメリットがあります。自社株買いをすることで、買い付けた株数分だけ配当を払わなくて済むようになります。また、株価が上昇することによって他社による買収を防ぐ側面もあります。

自社株買いのデメリット

こんなにメリットがあって株主と企業がWin-Winなら、全ての企業が自社株買いをすれば良いと思いますよね。自社株買いにはデメリットが存在します。

自社株買いの株主側のデメリット

株主にとってのデメリットは、自社株買いは配当金と違い一過性であるというところです。基本的に米国企業であれば年4回、日本企業であれば年2回株主に配当金を出します。配当金は連続増配株という言葉があるように、株において非常に大きな意味を持ちます。配当金を維持もしくは増配することは、経営者のバロメーターになっています。配当金を下げることは経営者としての格を下げることに繋がるわけですので、経営者は極力避ける方向で動いています。

しかし、自社株買いは配当金程重視されておらず、自社株買いを実施するかしないかは企業の判断となり、配当金と比較したときに不確実であると言えます。

自社株買いの企業側のデメリット

自社株買いを行うと、自己資本比率が低下します。

自己資本比率とは総資本に対する自己資本の比率です。自己資本比率が高い会社は、返済義務の無いお金を多く持っているということになり、財務的に健全と見られます。

自社株買いを行うと企業の手持ちの現金が減少し、自己資本比率が減少します。自己資本比率の減少は企業としての信頼が損なわれます。
また、手持ちの現金を使用するため会社の資金繰りが逼迫する可能性もあります。

継続的に自社株買いをしている代表銘柄

自社株買いを継続している企業は少ないです。ボーイングやアメリカンエキスプレスは自社株買いを継続してきた代表的な銘柄になります。ただ、ボーイングはコロナショックの影響により、大幅な赤字となっているため一時自社株買いを見合わせています。

まとめ

自社株買いとは何か、メリットとデメリットや代表銘柄を紹介しました。通常、企業から自社株買いの情報が出ると株価は上昇する傾向にあります。株式投資の際は今回紹介した背景も踏まえながら、より不明なところが少ない状態で投資を行うようにしたいですね。
今回の記事が皆さんの投資に少しでも役立てば幸いです。

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