タコ足配当とは タコ足配当投資信託の見分け方

投資

今回は投資信託でよく見られるタコ足配当について解説します。タコ足配当とは何か、タコ足配当のデメリット、タコ足配当の投資信託の見分け方について解説します。

タコ足配当とは

投資信託等で原資を分配金として払い出されることを意味します。他の投資信託と比較して分配金の回数や額が多いため、投資を始めたての方は目移りしてしまいがちです。

タコ足配当の不味い点は元本が目減りしてしまう点です。

株式の配当金は通常、企業が得た利益を株主に還元するという形で配当を捻出しているため、株価の変動はあるものの元本は目減りしません。

しかし、毎月分配などの投資信託では運用の成績に関わらず多額の分配金が払い出されるため、元本を取り崩して配当が払い出されることがあります。利益が出ておらず、支払われる分配金を「特別分配金」と呼びます。

前述の通り「特別分配金」は元本を取り崩して分配金として支払われたお金です。通常、分配金には税金がかかりますが、特別分配金は元本が配当として戻ってきただけですので税金はかかりません。

元本を削って分配金を出すことが、タコが自分の足を食べる状況と似ていることからたこ足配当というネーミングがついています。

タコ足配当のデメリット

・元本が削られるため長期運用に不向き
・管理費用(信託報酬)が高い

元本が削られるため長期運用に不向き

前述の通りタコ足配当は元本を削って分配金が支払われます。そのためキャピタルゲインによる利益が見込みづらく長期運用に不向きになります。

事実、つみたてNISAから毎月分配型の投資信託は除外されています。つみたてNISAの対象となる投資信託は、国が長期運用に適していると太鼓判を押された厳選された銘柄です。

管理費用(信託報酬)が高い

毎月分配型の投資信託は信託報酬が高い傾向にあります。

楽天証券で買付金額TOPの常連である「楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)」は0.2%程度、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」は0.1%程度です。

対して、毎月分配型の買付金額TOP常連である「ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)」は0.8%程、「ダイワUS-REIT・オープン(毎月分配型)Bコース(為替ヘッジなし)」は1.7%程度と割高です。

長期の運用になればなるほど、信託報酬が如何に安いかが効いてきます。

タコ足配当の見分け方

毎月分配型の投資信託

毎月分配型の投資信託はほぼタコ足配当です。ある資産運用研究所が毎月分配型の投資信託の配当について調べたところ、1年間の配当を運用益で賄えていた投資信託は2%しかなかったそうです。その他98%は全てタコ足配当だったということです。

基準価額の推移を見る

証券会社の投資信託の個別のページで基準価額の推移を見ることができます。投資信託の基準価額が右肩下がりで推移している場合、運用の収益によって分配金を賄い切れていない(タコ足配当)ということになります。

上のグラフはダイワJ-REITオープン(毎月分配型)の直近5年の基準価額です。見事に右肩下がりでタコ足配当を出し続けていることが分かります。

まとめ

タコ足配当とは何か、タコ足配当の投資信託の見分け方について解説しました。預けたお金が切り崩されて配当になっても何も意味はありません。手堅く利益を出してくれる優良な投資信託に投資をするようにしましょう。

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